Point 2.

欧米、アジア 新興国

-地域別の違いと費用感-

海外の展示会と一言で表しても、地域により大きく傾向や雰囲気が異なります。 ここではヨーロッパ、アメリカ、アジアを主要地域と考え、エリア別にその特徴を説明します。
日本の常識≠世界の常識
A. ヨーロッパの展示会
欧州の場合中心になるのはドイツで、その後フランス、イタリアが続きます。 大規模国際展ではBUAMA、Intermat(世界最大規模の建機展)、MEDICA(医薬・医薬)など産業や最先端機器等の展示会も数多くあります。

また大きな特徴として「国際的」「文化的」という部分がクローズアップされます。


パリコレクションやミラノサローネといったファンション・デザイン関連、Ambienteなどの生活雑貨、日用品分野、パリで行われるジャパンエキスポ等がその代表格として挙げられます。 日本で行われる「国際展」とは比較にならない程欧州からアジア、中東、アフリカ、南米等世界中の人々が集う場所となります。
欧州で認められれば世界で認められる、欧州で展示することによりアジアや中東から引き合いが増える、と言った事が往々にしてあるので、欧州での出展は開催国はもとより、世界へのアピールに繋がります。 展示会の基本の雰囲気としては華やかでお祭り感が強く、またブースの構造やデザインもセンスの良い、凝ったものも多いので、他ブースとの差異を図る事も重要となってきます。

■欧州の展示会における注意点

欧州の展示会は「商談中心」の場としての要素が強いです。 事前にアポイントを取り、その年度の販売計画等を進める等話し合う事が多く、飛込みでは話が出来ないという事もあります。 業界や展示商品により違いはありますが、アピールの場という設定で出展をすると勝手が違う事にもなりますので、バイヤーの目的に沿った出展計画を立てましょう。 また展示商品が盗まれやすいので、展示会終了後は鍵付きのロッカーにしまうよう心がけましょう。
■費用感  日本の2倍
出展例 24m2 =200-250万円 (ドイツ、独立ブース装飾、1€=120の場合、電気料金等除く)

大よその費用感としては日本で大規模展示会に出展する場合の「2倍の金額」がかかるとお考え下さい。

人件費や材料費が日本より高く、年々給与、物価も上がっていますので、欧州が高いというより日本が安いと捉えましょう。 予算が少ない場合はシェルパッケージでの出展となりますが、それでも装飾をされることをお勧めします。シェルブースの中に埋もれてしまうとアピールに繋がりにくく、スルーされてしまいます。 国内同業者が過去に出展していたり、協会や組合を含め成果、実績、体験談等の情報をもらいましょう。
B. 北米の展示会

アメリカで開催される展示会は欧州よりドメスティックな市場を重視している部分が多く、内需により比重を置いていると言えるでしょう。 産業機会や自動車など広範囲にわたるジャンルは欧州と同様ですが、最先端のテック系展示会が注目されます。同分野で最大規模のCESは、毎年1月にラスベガスで行われます。

ブースの装飾は欧州と比較すると簡素であり、展示会場の規模は欧州や中国と比べるとあまり大きくありません。 日本や欧州と比較すると商談スピードの早さがあり、現場でのバイヤーがどんどん買い付けを行うので、ただのPR目的で出展すると大きなチャンスを逃す事に繋がる可能性もあります。

■北米の展示会における注意点

アメリカは世界最大の経済規模を誇り、内需が大きいので海外からのバイヤーに対して強気である事が多く、 売ってあげているという態度で臨まれるかもしれません。 またあらゆる物価が高いので、日本とは比較にならない程金額がかかります。ランチ代が1500~2000円かかる事はNYで普通の事です。 展示品は欧州同様無くなりやすいので、鍵付き収納を活用しましょう。
■費用感  日本の3倍
出展例 24m2 =300-350万円 (NY、独立ブース装飾、1$=110の場合、電気料金等除く)

日本で出展する場合と比較すると「3倍の金額」がかかるとお考え下さい。

時間や契約内容対する意識が高く、費用がかさむ傾向があります。欧州と比べても人件費、物価は高く、上奏し続けています。
C. アジアの展示会
アジアの中心となるの中国で、東南アジア各国の展示会規模も成長著しい状況となっています。 シンガポールや香港では近隣諸国からの来訪もありますが、基本的には「出展する国で売る」事を目的としましょう。雰囲気としては日本と近く、コミュニケーションも欧米よりは取りやすいです。

■アジアの展示会における注意点

中国などでは祝祭日に一般に公開されることもあり。欧米と比較すると不特定多数が出入りしやすい展示会が多いです。一般の方々にノベルティを一生懸命配っても、無駄になりますので気を付けましょう。
展示品は取られやすいので鍵付き収納の使用を推奨しています。
■費用感  日本の0.75~1.5倍
出展例 24m2 =150万円~200万円 (タイ、独立ブース装飾、1バーツ=¥3.5の場合、電気料金等除く)

日本で出展する場合と比較すると「0.75倍-1.5倍の金額」がかかるとお考え下さい。

物価の安い国ではさらに安くなることもありますが、東南アジアの中心国・タイでは日本とさほど変わらなくなってきています。またシンガポール、中東地域は物価も安くなく、日本より高額になる傾向があります。

中国のブース装飾の派手さは世界一とも言えますし、経済発展目覚ましい各国では日本を上回るスケール感、デザイン感で来場者の注意を引き付けています。 中国人、華僑を中心にメンツを重要視する傾向もありますので、多少の費用をかけることをお勧めします。